冬のすっかり冬の足音が聞こえてきていますが、
私のこの夏の思い出を記しておきたいと思います。
9月27日は、出張かぴばらこーひーで、北木島へ行ってきました。
北木島での出店は、夫の舞台の公演と同じ日。
9月27日は、「備中アートブリッジ」というアートプロジェクトでのこの夏の取り組みの集大成。
ジャワガムラン奏者の岩本象一さんとバリ仮面舞踊家の小谷野哲郎。
この二人のアーティストと北木島の子供達が出会ったときに、どんな物語が生まれるのか。
7月中旬から島に滞在し、勝山や東京と北木島を行き来しながら過ごした夏の集大成の創作劇の上演でした。
北木島の石を使った「石の楽器」、島に伝わる昔話から紡ぐストーリー、そしてステージになった場所はかつての噴石工場跡、石の劇場。
そんな特別な日に、私たちかぴばらこーひーは石の劇場の前でコーヒー屋台。
岡山に暮らし替えをしようと決めたとき、
私の頭の中でぼんやり浮かんでいたのは、海のそばにあるカフェでした。
でも、私はこうして見えない縁に導かれるようにして、
北の城下町、勝山でカフェをしています。
私にとって、勝山はもう言葉では表わせないくらい大切な場所です。
ここだったんだ。私のいるべき場所は。と思うほど、
たくさんの繋がり、たくさんの優しさに包まれて、
勝山の空気、勝山の匂いを愛して、コーヒーを淹れる。
そんな1日1日が、とてもかけがえのない幸せに包まれた日々です。
でも、神様はこうして海の見えるカフェを開きたい、と思っていた私の小さな夢も叶えてくれました。
相棒の陽子と。
お客様が途切れた時間に、
アイスコーヒーを淹れて、港に座ってコーヒータイム。
なんてワクワクする時間なんだろう!
上演前には島にチャーター船が到着して、たくさんのお客様が。
かぴばらこーひーも大忙し!
実は、ちょっとした(だいぶ大きな?)トラブルがあり、
この日は電圧が足りずエスプレッソマシーンが使えないことが判明!
ということで、まさかのレモンコーヒーは全てハンドドリップに…(笑)
ハンドドリップではまったく作ったことがないので、エスプレッソが落ちない!と分かってからの新レシピ誕生。
あ~。今思い出しても冷や汗です。
そんなこんなで、あんな楽しそうに余裕でアイスコーヒーを飲んでいた私ですが、
夢中で汗しながらレモンコーヒーをハンドドリップ。
レモンコーヒーもレモネードも人気で、途中でレモンシロップが足りなくなって売り切れ。
夕方には用意していた氷もなくなり、島に住んでいる方のお家の氷を使って、アイスコーヒーを作ったほど。
トラブルも、忘れられない楽しい思い出に!
私と陽子の大奮闘、北木島でのかぴばら大冒険は何とか無事に幕を閉じました。
夫も無事に舞台を終え、島とのお別れの時間。
みんなが見送ってくれました。
ゆる体操のゆるさんが、海に飛び込む見送りダイブつきの、派手なお見送り。
ありがとう。
島と、瀬戸内の海に訪れた夕暮れ。
フェリーのデッキに腰掛け海風に吹かれながら、遠くなっていく北木島を眺める。
夢のように楽しい1日の出来事を振り返る。
あぁ。私の夏が終わった。
素晴らしい夏だった。
そう実感して、じんときた夕暮れ時でした。
夏が大好きなもので。
自分の夏が終わった瞬間を感じたのは初めてだったな。
いろんなことが一区切りついて、
初めて実感した夏の終わり。
色んなトラブルさえも過ぎてしまえば北木島での楽しい1日を彩ってくれる宝物。
てんてこ舞いだったまさかのレモンコーヒー、
レモンシロップが足りなくなってきて、大慌てしたこと。
たくさんの注文が一度に入りすぎて、どのお客様がどのコーヒーだか一瞬分からなくなって二人で大慌てしたこと。
全てが、キラキラと楽しい1日の輝きのなか。
自分たちが必死に汗をかきかき、てんてこ舞いした1日を振り返ったら面白くって面白くって、帰りの車の中で陽子と二人、ほっぺが痛くなるまで大爆笑。
かぴばらこーひーの、
大切な大切な、夏の思い出の1ページ。
これから来る冬も、
毎日大切に楽しみたいな。